くしゃみや鼻水が止まらない、目がかゆいなどの症状がある方は、アレルギー性鼻炎の疑いがあります。アレルギー性鼻炎には、「季節性アレルギー性鼻炎」と「通年性アレルギー性鼻炎」の2つに分けられます。 1月から4月頃にかけて春先に、こういった症状が出る方は、季節性アレルギー性鼻炎の可能性があります。スギ花粉が原因としては有名ですが、樹木や草花の花粉を鼻から吸い込んでアレルギー症状を引き起こします。
一方、季節に関係なく一年を通して、くしゃみや鼻水などの症状がある方は、ダニなどが原因の通年性アレルギー性鼻炎の可能性があります。 全国的な調査では5人に2人が花粉症と認められ、花粉症患者の約90%がスギ花粉症であるといわれています。日常生活においても、仕事の能率低下やイライラ感、睡眠障害など生活の質(QOL)を低下させるものとなっています。スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の辛い症状に悩まされている方に、根本的な体質改善を目指す「舌下免疫療法」という治療法があります。

舌下免疫療法とは
「舌下免疫療法」とは、スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎を治療する免疫療法のひとつで、アレルゲン(アレルギーの原因物質)を含んだ錠剤を舌の下に投与する治療法です。薬を一定期間服用することによりアレルギーに対する免疫を少しずつ作っていく方法で、根本的な体質改善が期待できます。80%の方が効果を実感され、効果が現れた方の中で20%の方は内服薬が要らなくなるという治療です。舌下免疫療法が適応となる患者様は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と診断された方です。この治療は指定認可を受けた医師のみが行うことができ、当院院長は認定医師となっています。
治療の流れ
- 初診
診察を受けていただき、舌下免疫療法が適応となるかどうかの確認をおこないます。あわせて、次回の診療日(アレルゲンの初回投与をおこなう日)を決めます。 - 錠剤の初回投与
当院にてアレルゲンを含んだ錠剤の初回投与をおこないます。
投与後は、約30分間、クリニック内で経過を見ます。
この他、詳細な説明と舌下免疫療法の同意書を記入していただき、この日は受付から会計終了まで1時間30分程度を予定しています。 - はじめの7日間
1日1回、舌の下に錠剤を1分間保持した後、飲み込みます。その後5分間はうがいや飲食を控えてください。なお、こうした基本的な投与の方法は、これ以降も変わりません。
はじめの7日間(増量期)は、少量のアレルゲンから開始し、体を慣れさせます。 - 8日目以降(維持期)
2週目からは、アレルゲンの量を増やしていきます。再度、クリニックを受診していただき、増量したアレルゲンを舌下投与します。同じように、経過観察を行っていきます。
翌日以降は同量の薬を投与し続けます。1日1回分を舌下に投与し、これを3~5年間継続します。
1ヶ月に1回受診し、副作用の有無やきちんと内服できているかを確認します。

治療を受ける際の注意点
治療をご希望される方は以下にご注意ください。
- スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎の血液検査が陽性の方が対象です
- 定期的な通院(だいたい1ヶ月に1回)が必要であり、約3年から5年ほど続く長期間の治療を受けることができる方が対象です
- 毎日の服薬を継続する必要があります
- すべての方に効果があらわれるわけではありません。20%程度の方には効果が出ない可能性があります
- 症状の改善があり、すぐに治療を終了した場合、症状が再燃する場合があります
- 3年間の舌下免疫療法終了後には、効果がおよそ8年間持続しているというデータがあります。※
(※ Long-lasting effects of sublingual immunotherapy according to its duration: A 15-year prospective study. Marogna M, et al. J Allergy Clin Immunol. 126(5):969-975,2010 )
副作用について
以下の症状が発生した際はすぐに受診をしてください。
【主な副作用】
- 口の中や舌の下のはれ、口内炎など口の中の副作用
- くちびるの腫れ
- のどの不快感やかゆみ
- 耳のかゆみ
- 頭痛など
【重大な副作用】
- ショック
- アナフィラキシー
治療を受けられない方
- スギ花粉症・ダニアレルギー性鼻炎ではない方
- 重い気管支喘息の方
- 5歳未満の小児
- 妊娠中・授乳中の方、妊娠希望の方
- 重い心疾患がある方
- がんや免疫不全などの病気がある方
料金
| 診断の流れ | 具体的な内容 | 3割負担の方 |
|---|---|---|
| 初診 | 初診料+検査代(採血込み) | 6,010円程度 |
| 再診 | 再診料+薬代 | 2,000円程度 |
よくある質問
どのくらいの時期から始めるのがよいですか?
スギ花粉症の方は、スギ花粉が飛んでいる時期はスギ花粉に対する体の反応性が過敏になっているため、スギ花粉が飛んでいない時期(5月から11月下旬)までに治療を開始します。治療開始時期については、ご相談ください。
ダニアレルギー性鼻炎の方は時期に関わらず治療を始められますが、ダニアレルギーが出やすい時期(梅雨・秋口)は避けた方が良いとされます。
どのくらいで効果が出始めますか?
効果がで始めるには2〜3ヶ月が必要で、1年目から効果が出る方もいます。十分な効果が出るまでには最低2年の投与が必要です。
舌下免疫療法を行うと花粉症が治るのでしょうか?
7〜8割の方に何らかの効果があり、花粉症の症状が軽減されたり、内服薬を減量することが出来ます。抗アレルギー薬の内服が全く必要となくなる完治の状態になるのは、治療効果が出た患者さんの中で2割程度と言われています。
他の薬は服用できますか?
β遮断薬や免疫抑制剤の内服をされている方は治療対象とはなりません。
アレルゲンの治療薬は眠くなったりするものでしょうか?
薬剤により眠気が生じることはありません。
スギ花粉以外の花粉症には治療ができないのでしょうか?
現在のところ、他の花粉症に対する舌下免疫薬剤が作られていないため、スギ花粉とダニアレルギーだけが舌下免疫療法の対象です。
ご予約
初診のご予約は、お電話にて承っております。
電話番号: 078-230-1122
